note
2025.05.26 / diary

風の眠る静かな朝に
白い光に包まれて
父は空へのぼってゆきました。

亡くなる前日、
母から「お父さん、そろそろかもしれない。」と連絡が入り、
急いで実家へ向かいました。

その日じゃないと、
もしかしたら すぐに帰れなかったかもしれない、
そう思えるほど不思議に
いろんな事がちゃんとうまく用意されていました。

父は、私たちのことを
ちゃんと待っていてくれました。

まだ温かい、熱いくらいに温かい父の手を握り、
おでこを撫でながら、
何度も何度も
ありがとうって言いました。

そして翌日の朝、
家族みんなが見守る中、
息子のおとが、手を伸ばしてそっとおでこに触れた時、
父は最後に一つ 大きく息をして、
天国へと旅立って行きました。

いっぱいの温かな涙と、感謝の言葉に包まれて、
とても穏やかで、
とても美しい最期でした。

 

私の唄に『空の手紙』という曲があります。
なんだか本当に、
この曲の歌詞のような旅立ちとなりました。

父は生前から、
「お葬式には、里花のこの曲を流してほしい。」とこぼしていました。
その望み通りに、
私たちは父を送り出すことができました。

お父さん、
あなたはやっぱり最後の最後まで愛の人だね。

あまりに思い出が多すぎて
あまりに感謝がありすぎて。

でも、
私の命も、暮らしも、おとの命を見守っていくことも、
愛する人たちを愛していくことも、
変わらず続いていく。

だから、これからゆっくりと小出しにしながら、
時々 大きく溢れながら、

空の父に 風の父に
木漏れ日の父に
蝶々の父に
隣に座った父、 枕元の父に、
そっと心のお手紙を届けていこうかなと思っています。

お父さん
ありがとう。

長い旅だったね、本当にお疲れさま。
どうかゆっくり休んでね。

「どんな時も このいのちを大事に生きてゆくからね。
あなたはきっと これからもずっと
わたしを空から見守ってくれるだろうから。