朝 目覚めると、 香りがする。 それは 静寂の香り。
カーテンを開ける前、 ほんの一瞬だけ準備をする。 それは 美しいものを迎える準備。
ため息、 それは思わずこぼれた微笑みのため息。
森たちは優しくうなずいて、 雪の葉を少し落とし、 そしてまた 静かに 空を 受け止めてゆく。
それは、 逸る春のはじまりを、そっと引き止めるような 冷たい冷たい雪でした。