シダの森…ううん、シダの海だ!っていつも思う。
この季節にしか出会えない美しさは
あまりに神秘的で、
足を踏み入れるのでさえ躊躇してしまう。
くるくると丸まって
静かに眠っていたこごみたちが
いっせいに手を広げて 光を祝福している。
足元で出会う花たちも
”気づいてくれてありがとう”って微笑みをくれる
緑たちが唄っている
木々が踊り、葉を揺らし、
やわらかな緑色の音が生まれる
しばらく目を閉じていると
風がそっと わたしのそばまで運んでくれる
唄はどこまでもどこまでも
森を駆け巡り、
そしていつのまにか空へとのぼってゆくのだろう
あ、またどこかで
唄がはじまった